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危険物に関する法令について

指定数量について

消防法で定められた危険物には、それぞれその危険性を勘案した「一定の数量」というものが定められており、これを指定数量といいます。たとえば、危険物第一類における第一種酸化性固体では指定数量が50キログラム、第二種酸化性固体では300キログラム、第三種酸化性固体では1000キログラムといったように指定されており、これらもまた法令によって定義されています。

各製造所や貯蔵所などにおいて、指定数量を上回る量の危険物を取り扱う場合、市町村長、または消防本部や消防署を置かない区域では都道府県知事に、危険物製造所設置などの許可申請書を提出する必要があります。これらは火災予防条例によって規制され、指定数量未満の危険物を取り扱う場合にも、少量危険物、指定可燃物貯蔵取扱届出書といった届け出をする必要があります。

危険物標識、掲示板について

危険物を取り扱う事業所などにおいては、その物質を製造、または貯蔵する場所に、危険物の具体的な注意事項や取扱最大数量などを示す標識、掲示板などを設置しなければなりません。

たとえば「火気厳禁」「火気注意」といった掲示板などは誰でも一度でも目にしたことはあると思いますが、このほかにも危険物の種類や品名、貯蔵または取扱最大数量、危険物保安監督者の氏名または職名などを表記した掲示板などもあります。

掲示板はすべて幅0.3m以上、長さ0.6m以上と大きさが指定されており、また、掲示板の色や文字の色なども決められています。掲示板同様、標識も危険物の存在やその内容を示すためのものであり、製造所等用と貯蔵所用があります。

行政手続について

各事業所などにおいて、危険物設備を設置する場合や、製造所等の位置、構造、設備変更などを行う場合は、許可、承認、認可、検査、届出などの危険物行政手続を行う必要があります。上記の理由により手続きを行う場合は「許可」という形での行政手続となり、市町村長、都道府県知事、自治大臣などへと届け出ます。

製造所等の仮使用、また、危険物を仮貯蔵、仮取扱として扱う場合は、「承認」という形となり、こちらも市町村長、または消防署長への届出が必要となります。危険物の譲渡や受け渡し、また、品名、数量、指定数量の変更時、廃止時、危険物保安統括管理者の選任、解任時、危険物保安監督者の選任、解任時には「届出」が必要となり、これらもやはり市町村等に届け出ます。

「検査」は、液体危険物タンクの水圧や水張検査を受ける場合や、1000キロリットル以上の特定屋外タンク貯蔵所における基礎、地盤検査、溶接部の検査を受ける場合に必要となります。

許可取り消しについて

製造所等の管理者、所有者、占有者は、法令に定められたある特定の項目に該当する場合、市町村長などから設置許可の取り消し、期間内の使用禁止命令などを受けることになります。これらは法第12条の2第一項、第三項により定められ、設置許可取り消しの該当事項は次のようになっています。

・位置、構造又は設備を無許可で変更したとき。
・完成検査済証の交付前に使用したとき。
・位置、構造、設備に関わる措置命令に違反したとき。
・政令で定める屋外タンク貯蔵所又は移送取扱所の保安の検査を受けないとき。
・定期点検の実施、記録の作成、保存がなされていないとき。

更に、以下の項目に該当する場合は、使用禁止命令を受けることとなります。

・危険物の貯蔵、取扱基準の遵守命令に違反したとき。ただし、移動タンク貯蔵所については、市町村長の管轄区域において、その命令に違反したとき。
・危険物保安統括管理者を定めないとき。
・危険物保安監督者を定めないとき。
・危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任命令に違反したとき。

点検、設備について

製造所などの施設において危険物を取り扱う場合、当然それらの設備などを定期的に点検する必要があります。やはりこれに関しても法令によって定められており、対象条件などその内容は、詳細に渡るまで複雑に取り決められています。定期点検については最低でも一年に一回行うことが義務付けられており、更にその記録を三年以上保存しなければなりません。

また、貯蔵タンクや製造タンクなどを所有している設備に関しては、タンク内部の点検についても取り決められており、そのタンクの大きさに応じて、それぞれ定期点検の期間、それらの記録の保存期間などが定められています。さらに、第四類の危険物を扱う指定施設においては、その数量に応じて自衛消防組織の編成と、科学消防車の所有が義務付けられています。

保安距離について

危険物を扱う施設などにおいては、常々事故の発生を想定しておく必要があります。これは施設内に留まらず、施設外においても非常に重要な問題であり、指定された施設に対して、製造所などは一定の距離を置かなければならないとされています。この距離を保安距離といい、保安距離を必要とされる施設は、製造所、屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、屋外貯蔵所、一般取扱所となっています。

また、保安距離を置く対象としては一般住居に対し10m以上、重要文化財や史跡などに対しては50m以上、7千から3万5千ボルトの電流が流れる電線などに対しては3m以上、3万5千ボルト以上の電流が流れる電線に対しては5m以上、高圧ガス施設に対しては20m以上、学校や病院、劇場などの公共施設に対しては30m以上とそれぞれ決められています。